25年前に探偵を始めた頃、カメラといえば当然フィルム式。36枚撮りフィルムを入れて、残りの枚数を気にしながら「ここぞ!」という場面にシャッターを切る。
現像してみたらピンボケ…。あの瞬間のガッカリ感、今の若手探偵にはなかなか伝わらないでしょうね。
今はデジタルカメラ。消せる、すぐ確認できる、しかも高画質。いやはや、本当に便利な時代になったものです。
若手探偵との一幕
この前、探偵歴4年の若手が自慢げに20万円もするカメラを見せてきました。
「先輩も、こんなの使ったらええですやん!」
…と。
でも実際、私のカメラは5万円程度。しかもそれで十分、証拠はバッチリ撮れるんです。
探偵に必要なのは“画素数”じゃない
依頼者や弁護士が欲しいのは「ポスターにできる記念写真」ではありません。
証拠としての一枚です。つまり、証拠写真は“キレイ”より“確実”。
探偵のスキルは、カメラの値札の桁数では測れません。
大事なのは観察力と判断力、そしてここぞという場面で確実に押さえる技術。
まとめ
もちろん、新しい機材を使うこと自体は悪くありません。
でも「俺のカメラ、すごいやろ?」と自己満足に浸っても、依頼者は喜びません。
探偵のカメラは、“作品”を撮るためじゃなく“証拠”を残すための道具。
20万円のカメラより、20年間の経験のほうがよっぽど価値がある――そんなふうに思っています。