先日、神戸で大変痛ましい事件が起きました。保険会社に勤める若い女性が、帰宅途中に見知らぬ男につきまとわれ、自宅マンションのエレベーター内で命を奪われてしまったというものです。
犯人は約50分間にわたって尾行を続けていたと報じられています。
このニュースを目にして、私たち探偵にとっても胸が痛むと同時に、強い危機感を覚えました。
なぜなら「尾行」という言葉が、この事件をきっかけに“犯罪的な行為”として一人歩きしてしまいかねないからです。
▶ 探偵にとって「尾行」とは
探偵業における尾行は、依頼者のために事実を確認するための大切な調査手段です。
浮気調査や素行調査など、客観的な証拠を得るためにはどうしても必要となる技術であり、もちろん法律の範囲内で、細心の注意を払いながら行っています。
しかし、今回の事件のように「尾行の末に殺人」という報道が続くと、正しい尾行まで「危険な行為」と誤解されやすくなります。
その結果、依頼者様が「探偵に頼んでも大丈夫なのか?」と不安を抱いてしまうかもしれません。
▶ 今後さらに難しくなること
実際に調査をしていると、マンションの出入りや街中での張り込みなどは、ただでさえ周囲から不審に見られることがあります。
今回の事件をきっかけに、住民の方や警察から声をかけられることも、これまで以上に増えるでしょう。
つまり、調査そのものがやりにくくなるのは間違いありません。
▶ 私たちが心がけること
だからこそ私たちは、これまで以上に「安全」「合法」「誠実」を徹底していかなければならないと感じています。
調査目的を明確にし、必要最小限の尾行に留める
不審者と誤解されないような立ち居振る舞いを心がける
依頼者様に「安心して任せてもらえる説明」を丁寧に行う
尾行や張り込みは、あくまでも依頼者の正当な権利を守るための手段です。
事件のような「無差別で理不尽な付きまとい」とは全く異なるものだということを、私たち探偵自身がしっかり示していく必要があります。
▶ おわりに
今回の神戸の事件は、社会に大きな衝撃を与えました。
そして私たち探偵にとっても「尾行」という行為の正当性を、今まで以上に丁寧に説明していかなければならない、大きな転換点になると感じています。
依頼者様が安心してご相談いただけるように、そして社会から信頼される探偵であり続けられるように、私たちはこれからも誠実に調査に向き合ってまいります。